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カンボジアに行こうぜ! [同級生の再起にまつわる話]

 昨日からこっち,俺の修理はやる事なす事何もかも裏目に出てしまい失敗続きなので本日の俺は結構凹んでいる事を白状しておく。

 本日のメニューの最後は某総合病院の食器洗浄機の修理で,コンベアーのフライトが幾つか破損しているのだが手持ちの交換部品はなく,取り寄せとなるので現調だけで終わりとなった。
 
 帰りがた,今月15日にグランドオープンとなった同級生の店に立ち寄った。配管工事を行ったときに取付けた混合栓の吐水パイプが短いので使い勝手が良くなく,交換して欲しい旨の希望が数日前にあったので晩飯がてら覗いてみた。
 店内には以前の店からの馴染み客と思しき方々が数名,結構いい調子でやっていた。ラストオーダーに近い時間帯だったので徐々に引け気味といったところ。
 俺は主の目を盗んで厨房に入り込み,こそこそと吐水パイプを取り替えてからタダの晩飯にありつかせて頂いた。
 丼飯の上に焼き鳥が乗っかっていてゴマとアサツキを散らした上からだし汁をかけたそれは何という名前なのか知らないが無闇とうまかった。俺は吐水パイプを持ってきて取付け,奴は俺の晩飯をこしらえ,これは一種,原始共産制というか貧乏人同士の物々交換経済ではないかと屈折した笑いに浸る。

 馴染みのお客さんが引けて二人になった店内で,俺も奴も,大していい事のない人生だよな,と、どちらからともなくぼやきが出た。いろんな意味で先が見えない。
 人が野放図になり過ぎて商売がどんどんやりづらくなってくるという点で俺と彼の意見は一致を見た。クソ忙しくなるばっかりで,どんどん消耗していく一方で,どうしたもんだか・・・・

 いよいよとなったら、身の回りを全部,きれいさっぱり始末してカンボジアにでも行こうぜ。機械設備屋も日本食の飲食店も引っ張りだこらしいぜ,と俺は持ちかけた。
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 呑気に暮らせるし,凍え死ぬ心配もないし,いいんじゃねえのか。地雷でも踏んでくたばってもまあいいか、もはや自分の人生にはそれほど大した未練はないと俺は大真面目に考えておるのだ。

 それを持ちかけると彼の表情ははっきりと明るくなった。何かしらの逃げ道を用意しておく事で幾らか気楽になれる。これはいつの間にか身に付いた俺の経験則である。
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くるみ

カンボジアのお話…『逃げ道』とは言え夢もあり現実味がありますね。だからこそ心の『逃げ道』なのですよね。私は漠然と無人島に行きたい!なんて何の解決にもならない事を考えたり(^^; その丼、美味しそうです♪オリジナルですよね?お茶漬けみたいな感じでしょうか?飲んだ後の〆にもなりますか?…食い付きすぎて済みませんf(^_^;
by くるみ (2011-11-24 10:22) 

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