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冷凍冷蔵庫大改造の巻(1) [含蓄まがいの無用な知識]

 歳をとって場数を踏めば作業も手慣れてきて余裕でさばけるようになるものだと若い頃の俺は見ていたが実際にはまるっきり正反対で,会社員を辞めて修理屋を開業し,歳をとって身体にもあちこちガタが来るようになってくるにつれて舞い込んでくる仕事は天井知らずにその難易度を高めつつある。
 もういい加減、少しは楽をさせてもらいたいもんだと内心ぶつくさ言い続けながら仕事をしている。

 今回のテーマは某産婦人科病院給食室設置分の大和冷機製冷凍冷蔵庫で、1999年製の個体だ。
冷凍庫が冷えないとの修理依頼で,原因としてはコンプレッサーの焼損である。大事ですな。大和に確認を取ると使用冷媒R-22の当該コンプレッサーは流通在庫を含めてもうありませんとのことで俺は大いに参った。
 病院の事務方はこれまた大変手強い。想定しているリプレースの時期は再来年あたりでそれまでは何が何でも動くようにしてくれと仰る。俺はいつもの如く板挟みで大変困った。

 思案に思案を重ねた挙げ句,俺の思いついたのは現行新冷媒のR-404A用のコンプレッサーに乗せ変えて改造してしまうというものだ。
 こんな改造プランの相談には製造元である大和冷機工業は勿論乗ってくれるわけがない。案の定,(そりゃそうだ)12年も使ったのだからリプレースを考えてくれたっていいでしょう,仕切りは安くしますから何とか宜しく御願いします,と営業トークが始まる。何せ製造元なので当然だが,大和の社内でそんな改造の実例は一つもないという。現行のR-404A用コンプレッサーのこの件での頒布も責任が持てないのでNGとのことでこれは全くもって致し方ない。

 しかし俺の性分はというと,人からダメだとか無理だとか言われれば言われるほどやってみたくなるのだ。メーカーの協力が得られないのなら自分で八方駆けずり回って何とかしてやろうでねえの。無理筋の修理だから何か恩着せがましい講釈をたれて修理代に色を付けてもらって一儲け,なんていう思惑だってあるのだ。

 そんなわけで次回より作業記録開陳の予定。俺自身は勿論,同業者諸兄にとってもクソの役にも立たないゲテモノ修理の始まりだ。
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