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某回転寿しにてネタケース修理後 [修理屋から見た厨房機材]

 罵倒系のテキストばっかり続いていたがたまに真面目にお仕事の記録をしておこうかと思ったのだ。
 
 昨日は午後10時から某回転寿し店のネタケースの修理に入り終了が午前二時だったので本日は朝寝坊を決め込んだところ。
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 膨張弁のベローズがいかれて冷えなくなったための交換作業だったが他にも冷媒の漏れている冷凍機が新たに出てきたりして有難くない付録付きだ。まあ,その分金にはなるのだからいいと言えばいいのかもしれないがガス漏れ修理は何せ真冬の深夜屋外作業だったので事前にしっかり厚着していかないと風邪をひいて開店休業状態にもなりかねない。

 某回転寿しのネタケースは二台の屋外冷凍機で合計5本のケースを冷やしている。
冷媒管の系統は昔ながらと言うか変えようもないのだが作業後の試運転でひとつ気がついた。
俺があんちゃんの頃からすっと見続けてきたものだが,屋外設置冷凍機の場合は高圧液管の施工法として膨張弁の手前にパックレスバルブを取り付けておくのが一種慣例みたいなやり方になっている。
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 営業終了後はパックレスバルブを閉める事で屋外冷凍機は低圧カットして運転停止となる。

 某回転寿しに限らずこの施工法は多い。
しかしそもそも冷媒管でのパックレスバルブというのは水でいえばゲートバルブみたいな位置づけで,点検補修時に操作するのが前提であって日常操作頻度が高い場所に使う事に適性はあまりない。毎日何度も操作し続けているとハウジングやスピンドルが削れて数年で漏れたり閉じきらなかったりといった不具合が起きる事が多い。
 某回転寿しでは昨年夏,コンベアーレーン中のネタケース3台についてバルブのハウジングとスピンドルが摩耗してガス漏れが起きて交換作業があった。
 昨日の修理では試運転時に残り一系統二本分の高圧液管に取り付けられたパックレスバルブから同様のガス漏れが起きている事が分かった。
 全閉時と全開時では漏れはなく開度が中間時に漏れるので一日のうち漏れる時間もそう多くはないだろうが漏れる事自体は事実なので繰り返し操作し続けるうちにこの先どこかの時点で冷媒が不足してパックレスバルブの交換と冷媒の充填作業が発生するのは間違いのないところだ。

 いつか試したいと思いながら出来ずにいた事の一つとして,高圧液管の操作用としてパックレスバルブを使うのはやめていっそのこと電磁弁を取り付けてスイッチ操作するのが良いと俺は常々考えている。高い開閉頻度に対する適性についてはどんな形式であれ手動バルブには限度がある。ボールバルブはパックレスよりも耐久性はあるがさほど歴然たるアドバンテージがあるわけでもないので間違いない選択肢としてはやはり電磁弁だ。

 問題なのは費用がかさむので事前見積もりを提出した時点でどの得意先も毎度難色を示して却下されてしまうところだ。なんせ水をジャンジャン使う場所なので,防沫用のカバーを製作して取り付けるという付帯費用がついて回る。
 某回転寿しに関してはおよそ4年から5年がパックレスバルブの摩耗周期となるが、4,5年周期での定期交換作業として今後の刷り込み事項としていくか,より恒久性のある処置として次回修繕を電磁弁による開閉に切り替えるかはなかなかに悩ましい選択肢ではなかろうか。これでパックレスバルブが一年くらいしか持たないのであればもっと決断し易いのだろうが。

 まあダメ元で再度提案してみる事にする。
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