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尻が熱い苦行 [日記、雑感]

 某総合病院で稼働している食器消毒保管庫は俺が会社員だった頃に納品させていただいたものでかれこれ実働18年になるのだが、昨今大変調子が悪いのでこの先一体どうしたものかと先方の管財課長とあれこれ協議を重ねていた。

 全体の方向性としては機材をリプレースするには予算が厳しく、だからといってメーカーの言いなりになってクソ高い補修パーツを買うのも納得がいかない。
 結局,骨格部分はまだ大丈夫そうなので電装については制御系一式を汎用の計装パーツで全部作り直す、熱源は蒸気なのでスチームコイル以外のヤクモノをこれまた汎用品で配管し直す事になった。修理というよりこれはもう全くの改造で、俺にとっては一番面倒臭い選択肢となったわけだ。

 こういう時の蒸気熱源というのは全く困り者で,何せ病院というところは一年365日,三度三度毎回飯を作るので朝から晩まで消毒保管庫は働きっぱなしで作業時間はごく限られており、思い切った事をやろうとすると8時以降の夜間しかない。
 そこで熱源が電気やらガスならどれだけ深夜に及ぼうが好き放題に運転できるのだが,熱源が蒸気だとボイラー室からの送汽が止まる時間以降は昇温確認の試運転が出来ないという制約が生まれる。

 一回の消毒時間が大体50分程度とする。ボイラー室からの送汽が止まるのはこの病院の場合午後9時30分である。
 翌朝の食器使用の事を考えると午後8時30分頃には運転できる状態にまで復旧しておかなくてはならない。そして食器洗浄のおばさんたちが保管庫に食器を詰め込み終わるのは毎日大体午後8時の少し前だ。それまでの間,脚立を立てて作業をしているといつも大変邪魔臭がられるのであまり思い切った事をやらかすわけにはいかない。
 要するに,作業時間はひどく限られていて改造作業は尺取り虫のようにあっちを少々,こっちを少々と毎日ちょっとずつしか出来ないわけだ。

 多少気合いの入った作業をしようとすると早めに現場に入り,おばさんたちの邪魔にならないようにと商売道具一式を機体の上に放り上げ、保管庫の上によじ上って芋虫みたいに身体を丸めながらあちこちいじり回す事になるがこの病院は配管が全てオーバーヘッドのため作業スペースにはサプライやらリターンやらの蒸気配管が入り乱れており,火傷の心配をしながら配管に触らないように作業する事を余儀なくされて無用にくたびれる。
 そして何より熱い。暑いのではなく熱い。
しゃがみっぱなしでは膝が痛くなってくる(この辺は寄る年波といったところだ)。おまけに蒸気の配管を踏まないとならない作業位置だと足の裏が段々熱くなってきていたたまでなくなる。ついつい腰を下ろすとそこにも蒸気配管があったりして尻が熱い。早く作業の区切りをつけたい一心で我慢しいしい配管やら配線をいじっているうちに尻が低温火傷みたいになり、本日の俺は大変参っている。

 この先何回通う事になるのか知らないが次回からは尻の低温火傷を防ぐために断熱性の良さそうな座布団でも持ち込もうかとまじめに考えている。
 ○○病院給食係の職員の皆様,俺が食器消毒保管庫の修理のときに座布団を敷いているのをもしも見かけたとして,それは俺が呑気に仕事をしているからではないのですぞ。

 
 
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