風呂発見：外食産業アンダーワールド：SSブログ

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風呂発見　[日記、雑感] [編集]

　お仕事仲間の某氏は自動車の後部座席にいつも風呂道具一式を置いてある。仕事が引けたら何はさておきまずは一風呂浴びるというのが日常であるらしい。
　やもめ暮らしが長く、家の風呂を毎度沸かすのも面倒臭い俺はこの習慣を真似する事にした。

　本日はちょっとした商売上の野暮用で夕方から隣町に出かけた。帰りの道中，10年前に俺が会社員だった頃にお仕事を頂いたラーメン屋さんで晩飯を食べてから行き当たりばったり風に道路沿いにある温泉旅館に入り込んだ。
　だいぶ長い事営業しているが20年くらい前に一度入浴にきた事があるだけの，およそ馴染みのない場所だ。

　俺は格別温泉の泉質について能書きを垂れられるほどの含蓄がないのでただいい気分で風呂につかっていたとしか書くべき事もないのだが一点，今日日実に有り難い配慮がこの旅館にはある。
それは何かと言うと，風呂の脱衣所には灰皿が置いてあって風呂から上がって素っ裸で煙草が吸えるという事だ。
　俺は公衆浴場が元々大好きだが，何が気分がいいといってこの，入浴途中に脱衣所で一服するのが大いなる楽しみなんだという事を今日あらためて思い出した。本当にもう何年も忘れていた楽しみだ。

　昨今，脱衣所に灰皿のある銭湯を殆ど全く取っていいくらい見かけなくなった。休憩室にも灰皿はなく，喫煙室などというせせこましいブースが片隅にあるのが大半で，ひどいところになると全館禁煙などという不逞千万な風呂屋まで現れる始末でそんなところには金輪際脚を踏み入れない事にしている。

　特段どうという事もない話だがこれからは寒い季節なので，隣町方面に仕事で出かけるときには忘れずに車の後部座席には風呂道具を放り込んでおく事を心がける次第。
　このテキストを書いている現在，風呂から上がってもう5時間くらい経つがまだ身体が火照っているので結構いい泉質だという事になるのかもしれない。