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次年度予算要求 [日記、雑感]

 大した稼ぎもないのに忙しさだけはそれなり,ということは金に直結しない行動に時間を費やしているという事だ。

 官公庁や公的な施設は年度予算の中で動く。年度予算は前年度のうちに作成し,予算要求書として提出しておく。書式は施設によって異なるが固定資産,備品,修繕費と分類されるケースがある。
 予算要求していなかったから予算がおりない,と言う事は必ずしもない。と同時に予算要求したからと言って必ず満額予算がおりるとも限らない。要は,施設全体の年間ランニングコストを推量するための指針というか一種のファシリティマネージメントで、ここでの出入り業者は一種の予想屋とも言える。
 会社員だった頃には結構頭の痛いお仕事だったが事務方のトップに向こう一年間の見通しを語る,というちょっとばかり晴れがましい場面の下準備な訳で幾ばくかの張り合いがあるのも事実で,俺のような単純バカは割合と素直にこの仕組みに乗る。

 固定資産について言えば減価償却が完了して残存価値がゼロであるから更新してくださいとせがみたがる厨房屋は煙たがられてお役御免となる事が多かったようだ。大体,ファシリティマネージメントが念頭にある得意先は言っては悪いが要するにケチなのだ。厨房機材などというものはどこの誰が見てももうダメだというコンディションになるまでとにかく,使って使って使い倒すまで使う。耐用年数とか減価償却期間といった数字などはなっから信用していない。

 日常修繕する側としては,固定資産の予算要求はやりやすい。法定耐用年数を経過しているからという大義名分があるからだ。(繰り返すが,だからといって簡単に予算がおりるわけではない。要求を上げ易いというだけの話だ)ただ,修繕費の予算要求となると作成が結構難しい。金額的にある程度の精度を出そうとすると過去10年くらいの履歴が全部頭に入っていないと滅茶苦茶な要求書になって,次年度一年が経過して発生した修繕を顧みてみたら発生内容も金額も予算要求とはまるっきりかけ離れたものになっていた,なんて事はある。
 
 俺が20年くらい出入りさせて頂いている某総合病院に数年前に新規取引の営業に現れた某厨房屋さんがいた。修理については絶対の自信があるので是非にという謳い文句で事前点検に6人くらいの一個小隊を動員し,三日間にわたって夜間あら探しをしまくり,写真入りで厚さ5センチほどにもなる報告書と見積りを作成してきたのだそうだ。
 結論から言うとその業者は一発で弾かれた。減価償却の済んだ固定資産は全て更新提案されていた上に修繕費の予測は俺が既に提出していたものの三倍以上の金額で,得意先は腰を抜かしてしまったのだ。

 その翌年,別の業者が同じように修繕費の予算要求書をこしらえて提出したが同じような結果だったのだそうで,その得意先では相も変わらず俺がこき使われ続けている。
 まあ,サッカーや野球で言うところのホームゲームなのでこの状況では履歴が頭に入っている俺が有利なわけだ。立場が逆だったら俺のような野良犬稼業は予算要求提出どころか名刺を受け取ってさえ貰えないだろう,門前払いがオチだ。
 しかしそれにしても,この金額にして三倍という開きは何なのか。俺が商売下手なのか,同業者ががめついのか。

 
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