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寿司を箸でつまむバカ(1) [グルメ気取りのバカを晒す]

 テイクアウトや回転寿司の普及もあって寿司はすっかり大衆的な食事になった。
もっとも江戸時代にまで遡ればにぎり寿司は元々が大衆的な食べ物であり、トロをいっかん握ってもらってウン万円などという店の出現が既にある枠を外れているとも言えるので、ある意味原点回帰とも受け取れる。

 何でもそうだが物事は大衆化すると元来の流儀は破壊されてデタラメな流儀が横行する。そしてデタラメはスタンダードとして厚かましく定着するのである。

 それにしても握った寿司を箸でつまむバカの横行ぶりが凄い。これが寿司の食べ方のスタンダードとなった感がある。
 冒頭、書いておこう。寿司を箸でつまむなどというのはにぎり寿司の食べ方もろくにわかっていないバカの行いだ。こういうバカが寿司のうまいまずいなどを語るなどとは全く持って片腹痛いのである。一時、カウンターに立つ職人はこういうアホな所作を陰で嘆いていたものだが今ではすっかり諦めて愚痴らなくなってしまった。ぼやくことさえ空しくなってしまったということだ。
 あれは手で掴んで食べるものだ。指でつまむものだ。一体何のためにおしぼりが供出されるのか考えたことはないのだろうか。あれは埃で薄汚れた顔を拭き拭きするためのものではない。

 見ていて笑える光景がある。職人の符丁では紫と呼ばれる醤油が小皿に入っている。そして寿司を箸でつまむバカは、握った寿司のたね(ネタではないのか、という疑問を持ったあなたは既にバカの仲間入りである。これは別の機会に書く)ではなく、ご飯の方を醤油につけて食っている。こういうバカにはにぎり寿司の原点である江戸前寿司が一生理解できないだろう。

 バカにはもう一つのパターンがある。握った寿司を箸でひっくり返して持ち上げ、たねの方を醤油につけて食べようとする。

 このときしばしば、愉快な光景を目撃する。
その1:ご飯の部分を醤油に浸すと醤油がしみてご飯粒がグズグズに崩れる。
その2:たねを下にするために握った寿司を箸でひっくり返そうとして種が横にどてっと落ちる。
その3:周到な注意の元、うまく寿司をひっくり返してたねを醤油につけ、箸で挟んで持ち上げて口元に運ぼうとする途中で種がはがれ落ちて落下する。

 彼らはこういう場面で決まって自分のバカさ加減を棚に上げて「握りかたが悪い」と不平をたれる。職人に「食べづらいからもっと固く握ってください!」とイチャモンをつけていたアホな母さんの姿はきりがないくらい沢山思い出せる。

 こんな食べ方をしてご飯をばらけさせたり、たねを落っことしたりするアホどもは、そもそもすし飯というのがどういうものなのかもロクにわかっていないのである。わかっていないからこういう文句が出る。(以下続く)


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